八幡学区はお寺のまち

近江八幡はお寺だけではなく、数多くの神社、そしてキリスト教会もある寺社仏閣・宗教融合の地でもあります。近江は「淡い海(琵琶湖)」を意味し、八幡は日牟禮八幡宮を中心とした神の地域を象徴しています。

近江八幡は豊臣秀次公が八幡山に築城、城下に八幡堀を整備し、商人の街として栄えましたが、古くは聖徳太子が仏教の教え、考え方を政治に取り入れ、多くの寺院を建立、そして、安土城を建設した織田信長公はキリスト教も保護し「セミナリヨ」を安土城下に建設しました。また、メンソレータムと西洋建築で有名な近江兄弟社を立ち上げたウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏(宣教師)の活動は、現在でも、この地に影響を与えています。

 

また琵琶湖には龍神伝説もあり、龍を祀る聖地もあります。
(龍は観音菩薩の守護神でもあります)

このように、近江八幡という地域は神仏融合のまちであると言っても過言ではありません。安土・八幡というエリア全体が聖地でもあるのです。

八幡仏教会は、八幡学区という地域の寺院の会で、八幡学区は日牟禮八幡宮を中心としたエリアです。この八幡学区だけでも、27寺院があります。近江八幡市全体のエリアでは、195の寺院があります。日本の中でも、このエリアは特別な聖地となっています。

神仏の信仰には、その根底には必ず慈愛の精神があります。様々なものに愛情を向ける、愛情をかける、こういった業(行い)と意識が人々や動植物、環境によい影響を与え、人間を含むすべてのものに幸せを導くとともに、業や意識を向けた人に穏やかな、不安のない、安心した心を生み出します。これこそが、宗教、特に仏教が目指す境地であります。

信仰の深い近江八幡という聖地で、神仏のご加護を受けながら、この地に住む人々、この地を訪れる人々が、穏やかな心となり、愛情を注ぎ、平和を祈る街として、今後も発展することを祈願するととも、この地が人々の愛情あふれる祈りの街として、人や動植物や環境にやさしい街であり続けますようお祈りしております。

(記 普陀山妙法寺 正禅住職)

愛のある祈りの街 近江八幡